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最終更新日:2021年4月1日
介護保険制度における保険給付は、「被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行わなければならない(介護保険法第2条第3項)」とされており、正当な理由のない特定事業所へのサービスの偏りについて減算を行うことにより、ケアマネジメントの質を確保し、公正中立なケアプランの策定を図ることを目的として、平成18年4月の介護報酬改正において、居宅介護支援費の算定に係る特定事業所集中減算が新設されました。
これにより、正当な理由なく、当該事業所において前6月間に作成されたケアプランに位置付けられた居宅サービスのうち、訪問介護サービス等について、特定の事業所の割合が90%を超えている場合に1月につき1件200単位を減算されることとなりました。ただし、当該事業所のケアプラン数が一定数以下である場合等一定の条件を満たす場合を除きます。
平成27年4月の介護報酬改定では、減算の適用割合が80%を超えている場合に引き下げられるとともに、対象サービスの範囲については、限定が外されました。
平成28年4月1日から、地域密着型通所介護についても特定事業所集中減算の判定対象となりましたが、判定方法については、通所介護と地域密着型通所介護を分けずに計算することも差し支えないこととされています。
平成30年4月の介護報酬改定では、対象サービスの範囲が限定されたことに伴い、算定表を一部変更しました。
毎年度2回、次の判定期間における当該事業所において作成された居宅サービス計画を対象とし、減算の要件に該当した場合は、次に掲げるところに従い、当該事業所が実施する減算適用期間の居宅介護支援の全てについて減算が適用されます。
判定期間 | 減算適用期間 | 提出期限 |
---|---|---|
前期(3月1日~8月末日 平成30年度は4月1日~8月末日) |
10月1日~3月31日 | 9月15日まで |
後期(9月1日~2月末日) | 4月1日~9月30日 | 3月15日まで |
各事業所ごとに、当該事業所において判定期間に作成された居宅サービス計画のうち、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与又は地域密着型通所介護(以下「訪問介護サービス等」という。)が位置付けられた居宅サービス計画の数をそれぞれ算出し、訪問介護サービス等のそれぞれについて、最もその紹介件数の多い法人(以下「紹介率最高法人」という。)を位置づけた居宅サービス計画の数の占める割合を計算し、訪問介護サービス等のいずれかについて80%を超えた場合に減算されます。
(例)
事業所において作成された全居宅サービス計画数 | 訪問介護を位置づけた居宅サービス計画数 | 訪問介護に係る紹介率最高法人の居宅サービス計画数 | |
---|---|---|---|
計画数 |
100 |
70 |
55 |
実績数 |
90 |
63 |
51 |
計画では80%以下のため減算対象とならないように見えるが(55÷70=0.785・・・紹介率最高法人の占める割合=79%)、実績では80%超過のため(51÷63=0.809・・・紹介率最高法人の占める割合=81%)減算対象となる。
用紙サイズ | A4サイズ縦 |
---|---|
提出書類 |
|
概要説明 |
|
提出方法 | 窓口(郵送可能) |
提出者 | 計算の結果、紹介率最高法人の紹介率が80%を超えた居宅介護支援事業所 |
手数料 |
無料 |
受付窓口 | 本庁高年福祉課介護保険係 |
問い合わせ | 本庁高年福祉課介護保険係(電話0791-64-3155) |
判定した割合が80%を超える場合には、80%を超えるに至ったことについて正当な理由がある場合においては、当該理由書(書式任意)を提出してください。正当な理由に該当するかどうか判断します。
Q1 「特定事業所集中減算内訳」は示されている様式を用いなければならないのか。
A1 参考様式であるので、「居宅サービス計画を作成した利用者名(もしくは被保険者番号)」「サービス種類」「事業所名」「法人名」が一覧で分かる書式であればよい。
また、記載にあたっては、居宅サービス計画(利用者)ごとに、サービス種類ごと、法人ごとにまとめて記載されている方が望ましい。
Q2 本減算の算定には、受託して作成した介護予防支援計画の数は含むのか。
A2 介護予防支援計画の数は含みません。
Q3 対象となる「特定事業所」の範囲は、同一法人単位で判断するのか、あるいは系列法人まで含めるのか。
A3 同一法人を有する法人単位で判断します。
Q4 別法人の運営する複数の事業所を紹介した場合の算定方法は。
A4 算定例を示すと下記のとおりです。
計画 | 利用者 | 居宅サービス計画に位置づけたサービス | 紹介率最高法人 |
---|---|---|---|
1 |
aさん |
甲法人訪問介護事業所まるまる |
〇 |
甲法人訪問介護事業所さんかく |
|||
甲法人訪問介護事業所しかく |
|||
2 |
bさん |
甲法人訪問介護事業所まるまる |
〇 |
甲法人訪問介護事業所さんかく |
|||
3 |
cさん |
甲法人訪問介護事業所さんかく |
〇 |
4 |
dさん |
甲法人訪問介護事業所さんかく |
〇 |
乙法人訪問介護事業所ごかく |
|||
5 |
eさん |
乙法人訪問介護事業所ごかく |
|
6 |
fさん |
乙法人訪問介護事業所ごかく |
|
この場合、甲法人が紹介率最高法人となる。
訪問介護を位置づけた計画数A=6(注1)
訪問介護に係る紹介率最高法人の居宅サービス計画数B=4(注2)
訪問介護における紹介率最高法人の占める割合(B÷A)=4÷6=0.666・・・
→紹介率最高法人の占める割合は67%・・・・・・80%以下のため減算対象とならない
注1 訪問介護を位置づけた計画数Aは、利用者1人当たり1計画と考えて算定する。
注2 上記表の紹介率最高法人欄に「〇」のある計画数。同一法人の複数の訪問介護事業所のサービスを位置づけている場合でも、訪問介護を位置づけた居宅サービス計画数は、利用者1人につき1件と考えて算定する。
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