HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン予防接種について
子宮頸がんについて
- 日本では毎年、約1.1万人の女性が子宮頸がんになり、約2,900人の女性が亡くなっています。若い年齢層で発症する割合が比較的高く、20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1,000人います。
- 子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と考えられています。このウイルスは、女性の多くが“一生に一度は感染する”といわれています。感染しても、ほとんどの人ではウイルスは自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。
- HPVワクチン接種でHPVの感染を防ぐことができます。(ワクチンで防げないHPV感染もあるため、20歳を過ぎれば子宮頸がん検診も大切です。)
HPVワクチンについて
- 現在日本において、公費で受けられるワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。
- 2価ワクチン(サーバリックス)及び4価ワクチン(ガーダシル)は、子宮頸がんを発症しやすい種類のHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。これにより子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
- 9価ワクチン(シルガード9)は、HPV16型と18型に加え、他の種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。
(HPVワクチン予防接種は厚生労働省の通知により、平成25年6月14日以降、積極的勧奨を見合わせていましたが、国の審議会において、HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたため、令和3年11月26日付の厚生労働省通知により、積極的接種勧奨が再開となりました。)
詳しくは厚生労働省ホームページでの「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がんとHPVワクチン~」をご参照ください。
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省のサイト)
接種対象者
定期接種対象者
接種日現在たつの市に住民登録がある小学校6年生(12歳となる日に属する年度の初日)から高校1年生相当(16歳となる日の属する年度の末日)までの女子
(標準的な接種年齢の中学校1年生(13歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間)に予診票を年度当初に送付します。)
キャッチアップ接種の期限
平成9年4月2日から平成20年4月1日生まれの方は、令和7年3月31日までが公費(無料)負担の接種期限です。令和7年3月31日を過ぎると全額自己負担となります。(約9万円前後)
- キャッチアップ接種対象者:積極的勧奨の差し控えにより、接種を逃した方
- 転入された場合は、以前の住所地で発行された予診票は使用できません。たつの市健康課までご連絡ください。
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~(厚生労働省のサイト)
費用
公費負担(無料)
キャッチアップ接種の接種期間の延長について
キャッチアップ接種は条件付きで一年延長されます。
キャッチアップ接種の公費負担の期限は、令和7年3月31日までの予定でしたが、令和6年度の夏以降の大幅な増加に伴うワクチンの限定出荷の状況等を踏まえ、令和8年3月31日になりました。
また、令和6年度高校1年生相当の女子の定期接種も同様に、条件付きで延長されます。
対象者と条件
キャッチアップ接種 | 定期接種のうち高1相当の方 |
---|---|
平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女子で、令和4年4月1日~令和7年3月31日の間に子宮頸がんワクチンを1回以上接種している方 | 令和6年度に高校1年生相当(平成20年4月2日~平成21年4月1日生まれ)の女子で、令和4年4月1日~令和7年3月31日の間に子宮頸がんワクチンを1回以上接種している方 |
最新の検討状況について厚生労働省のホームページをご確認ください。
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省のサイト)
令和5年4月1日から、9価ワクチン(シルガード9)が定期接種の対象となりました
定期接種及びキャッチアップ接種では、これまで2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)の2種類のワクチンが対象でしたが、令和5年4月1日から9価ワクチン(シルガード9)が追加されました。
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について(厚生労働省のサイト)
9価ワクチン(シルガード9)とは
HPVにはいくつかの種類(型)があり、9価ワクチンは、このうち9種類のHPVの感染を防ぐワクチンです。その中でも、子宮頸がんの原因の80%から90%を占める7種類のHPV(16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型)の感染を予防することができます。
どのワクチンを接種するかは医師にご相談され、予防接種を受ける際には下記リーフレットを参考に予防接種の効果とリスクを理解した上で接種してください。
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(概要版) (PDFファイル: 5.8MB)
HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(詳細版) (PDFファイル: 7.1MB)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(定期接種版) (PDFファイル: 603.5KB)
9価HPVワクチン接種のお知らせリーフレット(キャッチアップ版) (PDFファイル: 491.1KB)
キャッチアップ接種リーフレット (PDFファイル: 572.3KB)
HPVワクチンの接種に関係する医療従事者向けリーフレット (PDFファイル: 1.7MB)
ワクチンの種類と接種方法、接種回数と接種スケジュール
決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種します。
【標準的な接種方法と接種例】

9価ワクチン(シルガード9)は1回目を接種した年齢で接種回数が変わります。
- 15歳の誕生日の前日までに1回目を接種→2回接種が可能となりました。(その場合、1回目と2回目の接種間隔は最低5か月以上あけます。5か月未満で2回目を接種した場合は合計3回の接種となります。)
- 15歳の誕生日の当日以降(誕生日の当日も含む)に1回目を接種→3回の接種となります。
交互接種について
すでに9価ワクチン(シルガード9)以外のワクチンを接種している場合
原則として3回とも同じ種類のワクチンを接種することをおすすめしますが、2価ワクチン(サーバリックス)または4価ワクチン(ガーダシル)を1回または2回接種した方が、医師と相談の上、途中から9価ワクチン(シルガード9)に変更し、残りの接種を完了することも可能です。この場合にも公費で接種することができます。
2価ワクチン(サーバリックス)または4価ワクチン(ガーダシル)を接種した後に9価ワクチン(シルガード9)を接種することに対する効果やリスクについて科学的な知見は限定されています。
接種方法
たつの市・太子町HPVワクチン実施医療機関(令和6年度HPV実施医療機関へ予約してください。
令和6年度HPV実施医療機関 (PDFファイル: 75.7KB)
持参物:母子健康手帳・予診票・本人確認ができるもの(健康保険証等)
予診票がない方は、健康課(はつらつセンター内)または各総合支所(地域振興課)で交付します。母子手帳持参でお越しください。(各総合支所は要予約)
保護者が同伴しない場合の接種について
16歳未満の方の接種には、原則、保護者が同伴してください。ただし、接種を受ける方が13歳以上16歳未満の場合で、あらかじめ、接種することについての保護者の同意が予診票の表面と裏面の保護者自署欄にて確認できた方については、保護者の同伴なしに接種を受けることができます。
副反応
- ワクチンを受けることに対する緊張や、強い痛みをきっかけに、立ちくらみがしたり、血の気が引いて、時に気を失うことがあります。血管迷走神経反射という誰にでも起こる可能性がある反応で、通常、横になって休めば自然に回復します。接種後30分程度は、倒れてケガをしないように背もたれのある椅子に座って様子をみるようにしてください。
- 主な副反応は、発熱や、局所反応(疼痛、発赤、腫脹)でいずれも一過性で数日以内に軽快します。
- まれに起こるかもしれない重い副反応として、アナフィラキシー様症状(ショック症状・じんましん・呼吸困難など)、ギランバレー症候群(手足の力が入りにくいなど)、急性散在性脳脊髄炎などがあります。
- ワクチンを受けた方に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されています。
HPVワクチン接種後に気になる症状が生じた場合
接種後に体調の変化や気になる症状が現れたら、まずは接種を行った医療機関などの医師にご相談ください。また、HPVワクチン接種後に生じた症状の診療を行う協力医療機関が都道府県ごとに設置されています。協力医療機関の受診は、接種を行った医師又はかかりつけの医師にご相談ください。
HPVワクチンの接種を受けた後に痛みやしびれ等の症状が持続する方を対象とした相談窓口や、協力医療機関についての詳細は、下記の厚生労働省ホームページをご参照ください。
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口について(厚生労働省のサイト)
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について(厚生労働省のサイト)
(参考)厚生労働省ホームページ
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省のサイト)
予防接種による健康被害救済に関する相談:たつの市こども家庭センターはつらつ(健康課)
自費で接種された方へ
平成9年4月2日から平成17年4月1日生まれの方で、令和4年3月31日までの間に、定期接種の対象年齢を過ぎて(高校2年生相当以降に)、HPVワクチンを国内において自費で接種された方には、必要な手続きを行うことで償還払いを行います。市が設定する上限額の範囲内で、使用したワクチンはサーバリックスとガーダシルのみが対象となり、9価ワクチン(シルガード9)は対象外です。
市外(太子町、姫路市、宍粟市、相生市、赤穂郡、佐用郡を除く)で接種希望の方へ
市外で受ける場合は、接種前に申請手続きが必要です。
接種する医療機関に提出する接種依頼書が必要となります。
費用
- 「兵庫県内の広域的予防接種登録医療機関」で接種希望の場合
公費負担 - 「兵庫県外または県内の広域的予防接種未登録の医療機関」で接種希望の場合
実費負担(後日償還払い。金額については市が設定する上限額を超えない範囲)
子宮頸がん検診
子宮頸がんに対してできることは、HPVワクチンの接種と子宮頸がん検診の2つです。
20歳になったら、子宮頸がんを早期発見するために、子宮頸がん検診を2年に1回定期的に受けることが重要です。
更新日:2025年03月31日