1 令和5年度「施政方針」について
長かったマスク生活も今秋から「個人の判断」となり、約3年に及ん
だコロナ禍での不自由な生活もやっと終わりを迎えようとしていま
す。しかしながら、この間における経済的なダメージは小さいもので
はなく、追い討ちをかけるように襲ってきた円安・エネルギー高、物
価高は家計のみならず、日本経済全体に大きな影響を与えています。
先日も、お話をしていた経営者の方から「物価高の厳しさはコロナ禍
の比ではない」という悲痛なお声をお聞きしました。これらの課題
は、決して日本だけで解決できるものではなく、ロシア・ウクライナ
の戦争の終結や国際的な枠組みの中で進んでいくものですが、自治体
としてもコロナ禍以上に市民生活や地元経済に寄り添った施策が求め
られます。
また、現在、国会が開かれています。その中では「防衛費の増額」や
「エネルギー確保のための原発回帰」、「子ども・子育て支援」等が
注目を集めています。どれも喫緊の課題であり、日本の安心・安全を
守り、国を発展させていくために必要な政策です。小手先の取り組み
に終わることなく、「国にしかできない政策」を積極的に進めて行っ
てもらえることを期待しています。
令和5年はwithコロナ、ポストコロナ時代の元年となっていくでしょ
う。人の幸せ、地域や国の発展に欠かせない個人の自助努力や企業の
競争力を引き出すためには「やさしすぎる社会」ではなく「やさしい
社会」を目指していかなければなりません。そのために、本市におい
ても厳しい財政状況の中でも、「行政にしかできないことは何か」と
いうことを考え、必要な施策に積極的にチャレンジしていただきたい
との思いを込めて、以下質問します。
(1) 「新宮地域の過疎対策」について、「過疎対策事業債等を活用
し、地域の活力の維持・発展につながる取り組みを推進する」とあ
る。具体的には、昨年9月に策定された「たつの市過疎地域持続的
発展計画」に新しい事業を追加、拡充されているが、その内容を詳
しく見ると、新宮町に特化した事業は1つ(弥生の森活性化事業)
のみで、今年度地域でさまざまな意見を聴取したものが反映されて
いるように感じない。過疎対策に取り組んでいくためには、より積
極的に新宮町の魅力を作っていく姿勢が必要であると感じる。来年
度以降の事業の展望と市の考えを伺う。
(2) 国の方針で「デジタル田園都市国家構想総合戦略」やDXの推進
が叫ばれ、本市においても「たつの市デジタル・トランスフォーメ
ーション推進基本方針(TDX)」の取り組みを加速させたり、「書
かない窓口サービス」が開始される。市役所での事務手続きが便利
になることはありがたいが、日常生活において、誰もがデジタルの
恩恵を享受でき、「誰一人取り残さない」人に優しいデジタル社会
の形成を目指すため、本市の実情に合わせてどのように取り組んで
いくのか考えを伺う。
2 主要施策の概要について
第2の柱 やすらぎづくりへの挑戦より
(1) 今年度からはじまった「敬老えらべるギフト事業」について、ど
のような反響や意見があり、次年度の取り組みにどのように活かし
ていくのか伺う。
(2) 「障害者レクリエーション・スポーツ交流事業」について、来年
度は市民を対象とした障害者スポーツ(フレスコボール)体験イベ
ントを開催し、障害者スポーツの普及を図るとある。このような交
流イベントと同時に、市内には全国大会に出場されるような高い技
術を持たれた選手もおられることから、障害者スポーツ振興のた
め、「市長杯」などの競技大会も開催してはどうか。
(3) 障害者の「社会障壁の除去についても働きかける」とあるが、こ
こ最近、人気のドラマなどで手話が取り上げられ、若い人の間でも
手話への関心が高まっている。本市では平成29年に「たつの市共に
歩む手話言語条例」が制定され、学校、地域社会その他のあらゆる
場において、市全体で手話に対する理解を広めてきた。さらなる理
解推進に向けて、子供の頃からより手話に触れ合う機会を増やして
行くことが重要と思うが、現在の市での取り組みと今後の展望を伺
う。
(4) 「健康寿命の延伸に向けて庁内関係課や医師会等関係機関との連
携体制を強化し、健康課題を共通認識した上で、病気の重症化予防
と介護予防・フレイル予防を一体的に実施します」とあるが、具体
的にはどのような取り組みになるのか。
第3の柱 ひとづくりへの挑戦より
(5) 小中一貫教育の推進に向けては、来年度から設計業務に取り組む
とあるが、魅力的で学びやすい小中一貫校の建設はもちろんのこ
と、学校周辺の道路整備等の安全対策や、地域住民の体育施設利用
などにマイナスな影響が及ばないよう対策を講じる必要があると感
じる。市の考えを伺う。
(6) 「男女共同参画推進事業」について、昨年度から開催されている
「女性活躍推進ネットワーク会議」の開催や「女性活躍支援補助事
業」等が予算化されているが、これまでのネットワーク会議の成果
や今後の事業の取り組みについて伺う。
(7) 「北海道北斗市との友好交流」について、「三木露風」「童謡赤
とんぼ」によるまちづくりに力を入れている北斗市との友好交流は
大変素晴らしく、これまで行われていた市民間での交流がさらに進
展することで本市にとっても有意義な取り組みになると確信する。
来年度は霞城館での企画展が予定されているが、これからの友好交
流の展望について伺う。
第4の柱 にぎわいづくりへの挑戦より
(8) 「鹿・猪等有害鳥獣対策事業」について、昨年の会派代表質問で
も防護策だけでなく新たな取り組みが必要と述べた。来年度から狩
猟免許取得、猟具やカメラの導入に必要な経費を補助するとあるが
どのような補助になるのか。また、狩猟者を確保・育成するため、
狩猟の環境整備を行うことは喫緊の課題と考えるがどうか。
(9) 観光誘客と観光振興について「全国京都会議」の開催は「龍野」
の魅力を全国、全世界にPRする大きなチャンスと考える。一丸と
なって取り組んでいきたい。そこで、これを機にユニバーサルツー
リズムの観点も取り入れ、城下町観光のマイナス面を克服した、高
齢者も障害者も誰もが気兼ねなく観光できる観光地づくりに取り組
んでいくことは考えられないか。
第5の柱 ふるさとづくりへの挑戦より
(10) 「ふるさと応援寄付金受け入れ事業」「企業版 ふるさと納税受
け入れ事業」について、関係各所の努力、PRの強化により年々受
け入れ金額が増加している。今後、さらなる返礼品の開発やトッ
プセールスによるPRにより、より多くの人や企業に寄付していた
だけるよう取り組んでいただきたい。現在の状況と来年度の取り
組みについて具体的に伺う。
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