図書館のおすすめ絵本
子どもと絵本
一日一日、日が経つごとに赤ちゃんの表情が豊かになり、いろいろなことに興味をしめし動きが活発になるにつれて親ははらはらどきどきするものです。このような時期に、親は赤ちゃんと十分にスキンシップをしたりコミュニケーションをしていく必要があるようです。感性豊かで創造性豊かな子に育ってもらうために、絵本による読み聞かせはいかがでしょうか。
ところで、なかなか子育てにゆとりを持つことの難しい時代です。子育てすら大変なのに絵本など読んでやる時間などありません、と言われる方もあるかもしれません。しかしながら子どものことばと心を育むためには、親子が肌のぬくもりを感じながら絵本を通じてことばと心を通わす時間が必要です。また子どもと向き合うそうしたひとときこそ、お父さんやお母さんにとっても心安らぐ楽しい時間となるのではないでしょうか。
どうぞ絵本を読んであげてみてください。絵本を読んであげることに難しい技術や能力はいりません。素直にゆっくりと心をこめて読んであげてください。お父さんお母さんのやさしい声で語られることばが絵本の絵を動かし、子どもの目の前で楽しい物語の世界が広がっていくでしょう。お父さんやお母さんに抱っこされて絵本を読んでもらう子どもは、きっと両親の大きな愛情を肌で感じながら感性と創造性豊かな子に育ってくれることでしょう。『図書館のおすすめ絵本』は、絵本を通じて子どもとお父さんお母さんとの豊かな出会いを願って編みました。ご家庭で絵本を楽しむきっかけにしていただければ幸いです。
たつの市立図書館
0歳〜1歳向き
いないいないばあ

松谷みよ子文
瀬川康男絵
童心社
親と子の昔からの伝承あそびにならって、動物たちが「いないいないばあ」をしてくれます。絵本を読みながら子どもと一緒に、楽しく遊べます。
おつきさまこんばんは

林明子作
福音館書店
夜になり、空が暗くなると、屋根の上が明るくなって、まあるいお月さまが出ました。ところが、黒い雲がお月さまにお話をしにきて、お月さまの顔を隠してしまいました。紺色の夜空と黄色いお月さまが、鮮やかに描かれています。
おててがでたよ

林明子作
福音館書店
頭から服をすっぽりかぶった赤ちゃん。手を出し、顔を出し、右足を出し、もう一つの足がなかなか出てきません。やっと左足が出てきたときの赤ちゃんのうれしそうな表情が印象的です。
おにぎり

平山和子絵
福音館書店
「ごはんをたいて てのひらに、みずをつけて しおをつけて ごはんをのせて あつ、あつ。ふっ、ふっ。」ご飯の熱さや、匂いまで感じられ、本当にほかほかのご飯でおにぎりを作っているようです。
くだもの

平山和子作
福音館書店
みずみずしく描かれたスイカ、モモ、ブドウ…。切って、皮をむいて、洗って、差し出されます。「さあどうぞ」というやさしいことばの繰り返しに、思わず手が絵にのびそうです。
ここよここよ

かんざわとしこ文
やぶうちまさゆき絵
福音館書店
「どこにいるの?コアラのあかちゃん」「ここよここよ おかあさんにおんぶよ」動物の赤ちゃんが、お母さんにしっかりと身をよせて、こちらを見ています。
ころころころ

元永定正作
福音館書店
さまざまな色の玉が、ころころころとでこぼこ道、坂道を転がっていきます。雲の上を転がったり、すべり台でジャンプしたり。子どもたちも玉といっしょに、いろいろな道を体感するでしょう。
ずかん・じどうしゃ

山本忠敬作
福音館書店
いつの時代でも子どもたちは、自動車が大好きです。乗用車、バス、トラック、ダンプカー、消防車…。さまざまな種類の自動車が勢揃いです。ていねいで正確な絵に、乗り物好きの子どもたちも大満足でしょう。
ぞうさん

まどみちお詩
なかがわりえこ選
なかがわそうや絵
福音館書店
「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「あくしゅでこんにちは」などのお馴染みの童謡が、詩として紹介されています。どの詩もことばの音とリズムが心地よく、温かさとやさしさに満ちています。
どうぶつのおかあさん

小森厚文
薮内正幸絵
福音館書店
動物のおかあさんが、どうやって子どもを運んでいるのかな?という子どもの疑問に、母親が子どもを連れ歩く様子をリアルに描き答えてくれます。
にゃんにゃん

せなけいこ作
福音館書店
大きいねこ、小さいねこ、白ねこ、黒ねこ、みけねこ…。抱こうとすると、逃げて行きます。母さんねこのお乳を飲んで、うれしそうに「にゃんにゃん」ないて眠ります。和紙を使ったちぎり絵が、ねこの表情をよく伝えます。
みんなおおあくび

薮内正幸作
福音館書店
朝が来て、今日もいい天気。動物たちは、次々とおおあくび。コアラの親子、三毛のネコ、イヌ、ウサギ、三匹のネズミ、ウマ、それから赤ちゃん。どの顔もみな大きな口と細い目です。
みんなのこもりうた

アルベルチ文
なかたにちよこ絵
いしいももこ訳
福音館書店
浜辺で、砂山で、森の中で、草の上で、木のうろで、動物の子どもたちが眠ります。誰も動物たちに子守唄を歌ってやりません。布団の中で眠っている赤ちゃんには、父さん母さんが子守唄を歌ってくれます。
もうおきるかな?

まつのまさこ文
やぶうちまさゆき絵
福音館書店
猫と犬の親子は、目を覚まして背伸びをします。りすの親子は毛繕い、熊の親子は大あくびです。象の親子は起きて、鼻と鼻をつないで、仲良くお出かけです。
もこ もこもこ

たにかわしゅんたろう作
もとながさだまさ絵
文研出版
何もない所に、「もこもこ」「にょき」と何かが生えて大きくなって、どんどん膨れて、「ぱちん」と破裂して、出てきたのは何でしょう?自在に想像してください。
2歳~3歳向き
あおくんときいろちゃん

レオ・レオーニ作
藤田圭雄訳
至光社
あおくんときいろちゃんはいっしょに遊んでいるうちに、緑になりました。色紙をちぎっただけの単純な絵は新鮮で、ストーリーの深い意味を感じさせます。
あかいかさ

ロバート・ブライト作
しみずまさこ訳
ほるぷ出版
赤い傘を持って女の子が出かけます。突然雨が降ってきて、動物たちが女の子の傘に雨宿りに来ます。犬が、猫が、鶏が…。動物たちが増えると、傘もどんどん大きくなりました。
アンガスとあひる

マージョリー・フラック作 絵
瀬田貞二訳
福音館書店
小犬のアンガスは、見るものかぐもの何でも知りたがりました。鏡の小犬は誰だろうとか、靴をくわえてみたり、ズボンつりを引っ張ってみたり。アンガスの生活ぶりは、幼い子どもたちそのものです。
うめぼしさんのうた

ましませつこ絵
福音館書店
「やまでらのおしょうさんは」「ほうほうほたるこい」「かあごめかごめ」など、伝承のわらべうたを紹介しています。美しい日本語の響きを楽しんでください。
おおきくなったら

内田莉莎子訳
ヨゼフ・ラダ絵
福音館書店
チェコのわらべうたです。調子のよいことばで、つぎつぎとナンセンスな出来事が語られます。素朴な絵が、いっそうユーモアを感じさせてくれます。
おおきなかぶ

A・トルストイ再話
内田莉沙子訳 佐藤忠良画
福音館書店
おじいさんが、植えたかぶはとてつもなく大きくなりました。かぶを抜こうとしますが、なかなか抜けません。そこで…。大らかで、力強さに満ちたロシア民話です。
おかあさんだいすき

マージョリー・フラック文 絵
光吉夏弥訳編
岩波書店
ダニーは、お母さんの誕生日の贈りものを探しに出かけました。めんどり、がちょう、やぎ…のすすめるものは、みんなお母さんが持っているものばかり。最後に山の熊さんが、とてもいいことを教えてくれました。
おやすみなさいおつきさま

M.W.ブラウン作
クレメント・ハード絵
せたていじ訳 評論社
子ウサギはベッドの中から、部屋にある椅子や時計や人形の家に「おやすみ」をいいます。月や星や夜空にも。聞こえてくる物音にも。そのうち、子ウサギもぐっすり眠ってしまいます。
おやすみなさいのほん

M.W.ブラウン文
ジャン・シャロー絵
いしいももこ訳
福音館書店
夜、鳥、魚、野山の動物たちが眠ります。舟は帆をたたみ、自動車、飛行機がエンジンを止めます。全てのものが眠りにつく様子が、簡潔で静かなことばで語られます。
かばくん

岸田衿子作
中谷千代子絵
福音館書店
動物園のかばの一日が、詩のようなことばとカンバス地の迫力のある絵で描かれています。大きなかば、かばの子、小さな亀、あぶくの対比がユーモラスです。
くまのテディちゃん

グレタ・ヤヌス作
湯沢朱実訳
ロジャー・デュボアザン絵
こぐま社
茶色いくまのテディちゃんは、黄色いズボンをはいて、エプロンをかけ、小さな青いテーブルにつき、小さな緑のコップとお皿とスプーンで食べ、小さな青いベッドで眠ります。
ぐりとぐら

なかがわりえこ、おおむらゆりこ作
福音館書店
「おりょうりすること たべること」の大好きな野ネズミのぐりとぐらが、森へ出かけると、大きな大きな卵が落ちていました。この卵で、朝から晩まで食べてもまだ残るくらいの大きいカステラを作りました。
くれよんのはなし

ドン・フリーマン作
さいおんじさちこ訳
ほるぷ出版
8色のくれよんと白い画用紙があります。青いくれよんが空と海を、黄色が太陽と島を、茶色が男の子と木を、緑色が葉っぱと亀を描きました。すると、絵が動き出して…。
こいぬのくんくん

ディック・ブルーナ文 絵
松岡享子訳
福音館書店
くんくんは、小さな茶色の小犬です。迷子の女の子を探しに出かけました。かたつむりに聞いても、小鳥に聞いても、うさぎに聞いてもわかりません。すると、風がくんくんの鼻に女の子の居所を教えてくれました。
ジョーンとあひる

マーガレット・ロウ作
松野正子訳 津田櫓冬絵
福音館書店
ジョーンとお父さんは毎週日曜日、あひるたちにエサをやりに公園へ行きます。白いあひるには白いパン、茶色いあひるには茶色いパン、赤ちゃんあひるにはスポンジケーキをあげます。
スモールさんはおとうさん

ロイス・レンスキー文 絵
わたなべしげお訳
童話館出版
スモールさんは、丘の上の大きな家に住んでいます。奥さんと赤ちゃんとポール君とポリーちゃんといっしょです。スモールさんは髭を剃り、仕事に出かけ、一週間が始まります。
せきたんやのくまさん

フィービとセルビ・ウォージントン作 絵
いしいももこ訳
福音館書店
くまさんは、朝早く起きて、荷馬車に石炭の入った袋を積んで、売りに行きます。「ふたふくろ おねがいします」と言われると、石炭置き場に石炭を投げ込みます。「どかん!どかん!」それから、お金をもらいます。
たまごのあかちゃん

かんざわとしこ文
やぎゅうげんいちろう絵
福音館書店
卵の中から赤ちゃんが出てきます。にわとり、かめ、へび、ぺんぎん。一番大きな卵から出てきたのは、なんと恐竜の赤ちゃんでした。「ぴぃ一、にょろ、ちょろ、きゅーう…」赤ちゃんの大合唱です。
タンタンのぼうし

いわむらかずお作
偕成社
タンタンの大好きな帽子は、くるくる回って、ころころ転がる愉快な帽子です。高く「やあっ」と投げると、暗くなっても、眠くなっても落ちてきません。やっと落ちてきた帽子の中には、光るお星さまが入っていました。
ちいさいしょうぼうじどうしゃ

ロイス・レンスキー文 絵
わたなべしげお訳
福音館書店
「ちんちん!」と出動のベルがなり消防士のスモールさんが消防自動車で出動します。消防車の仕組みと消防士の仕事ぶりが、親しみやすい絵で描かれています。
ちいさなうさこちゃん

ディック・ブルーナ文 絵
石井桃子訳
福音館書店
大きな庭の真ん中の小さな家に、うさぎのふわふわさんとふわおくさんが住んでいます。ある晩、庭に天使が現れて「あかちゃんができますよ」といいますと、かわいい女の子が生まれました。
ちいさなねこ

石井桃子作 横内襄絵
福音館書店
一人で出かけた子猫は、子どもに捕まりそうになったり、自動車にひかれそうになったりします。とうとう大きな犬に追いかけられ高い木の上に追い詰められてしまいます。子猫のはじめての冒険です。
ちいさなヒッポ

マーシャ・ブラウン作
うちだりさこ訳
偕成社
かばの子のヒッポは、お母さんの側を離れた事がありません。ある日、大人のかばたちが泥の中で昼寝をしている時、一人で明るい水面に出てみると、金みどりの目のわにがすべり寄ってきて…。
てぶくろ

エウゲーニー・M・ラチョフ絵
うちだりさこ訳
福音館書店
冬の森の中、おじいさんが落とした手袋に、ねずみ、かえる、うさぎ…、とうとう大きな熊まで入ってきました。ロシアの民族衣装を着た動物たちの表情が、ユーモラスです。
どうすればいいのかな?

わたなべしげお文
おおともやすお絵
福音館書店
「しゃつをはいたらどうなる?」「ぱんつをきたらどうなる?」「ぼうしをはいたらどうなる?」くまくんは考えます。くまくんは、身だしなみを整えて出かけます。
どうぶつのこどもたち

小森厚文
薮内正幸絵
福音館書店
子犬たちはおっかけっこをして、子馬たちはどちらが速いか競争して、子山羊たちは頭と頭を押し合って、遊びます。動物たちの姿は、伸びやかで躍動感にあふれています。
どうやってねるのかな

やぶうちまさゆき作
福音館書店
りすはどうやってねるのかな?コウモリは?フラミンゴは?首のながいキリンはどうやってねるのかな?動物たちの「ねむり」をやわらかいタッチの絵で温かく描いています。
とらたとまるた

なかがわりえこ文
なかがわそうや絵
福音館書店
原っぱに転がっていた1本のまるたは、馬やカヌーや汽車になって、とらたを乗せてくれます。とらたとまるたの冒険が、白い紙面に伸びやかな線で描かれています。
ねてるのだあれ

神沢利子作
山内ふじ江絵
福音館書店
「ねてるのだあれ?」 やさしい問いかけにこたえて、ほおずき、落花生、そら豆…の中から、おいしい実が出てきます。丹念に描かれた絵が、繰り返されることばの美しさを引き立てています。
みんなおっぱいのんでたよ

木坂涼作
木村しゅうじ絵
福音館書店
子リスはどんぐりをかじり、ライオンの子は肉を食べ、ゴリラの子は葉っぱを食べています。でも皆、赤ちゃんの時はお乳を飲んでいました。幼い子は、この動物たちをとても身近に感じることでしょう。
めのまどあけろ

谷川俊太郎文
長新太絵
福音館書店
「めのまどあける おひさままってるぞ」と朝目覚めて、「ふとんのうみにもぐったら…ねんねんころりねんころり」と夜眠るまで。調子のよいことばでつづられています。
もりのなか

マリー・ホール・エッツ文 絵
まさきるりこ訳
福音館書店
紙の帽子をかぶり、新しいラッパを持って「ぼく」は、森へでかけます。らいおん、ぞう、くま、かんがる一たちが「ぼく」の散歩についてきます。地味な白黒の絵から幼心の喜びと森の中の深い静寂が伝わってきます。
わたしのワンピース

にしまきかやこ絵 文
こぐま社
空から落ちてきた真っ白なきれで、うさぎはワンピースを作りました。それを着て花畑を散歩すると、ワンピースは花模様に、雨にあたると水玉模様に、草原を通ると草の実模様になります。とても不思議なワンピースです。
お父さんお母さんにおすすめする本
センス・オブ・ワンダー

レイチェル・カーソン著
上遠恵子訳
新潮社
著者と一歳八ヵ月の甥のロジャーは、夜の海辺にカニを探しに出かけたり、雨にぬれた森の中で敷物のようなトナカイゴケに見入ったり、夜更けに満月が湾の向こうにかたむいてゆくのを眺めたりします。それは、楽しむために行われるものです。人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性を育み強めていくことは、人を生きる喜びへと導いてくれると語りかけます。
子どもが孤独でいる時間

エリーズ・ボールディング著
松岡享子訳
こぐま社
何もすることがない時間、独りでいる時間こそが、子どもの内面的成長を発達させるー「自分が自分である」という意識を持たせ、創造的な活動に導くただひとつのものではないかと著者は考えます。今、子どもたちにその時間があるでしょうか。子どもたちを休みなしのスケジュールから開放しようと提案します。
子どもとことば

岡本夏木著
岩波書店
子どもは、いかに言語を獲得していくのか。その前提として「人間の子どもは『かれを大切に』愛さざるをえないでいる人びとのなかへ、そして自分もそれに十分応えうる存在として生まれ出てくる」といいます。ことばを持たない新生児のコミュニケーションの観察例、乳幼児期の子どもを対象とする研究事例を挙げながら、具体的に平易に説明していきます。
えほんのせかいこどものせかい

松岡享子著
日本エディタースクール出版部
子どもの読書について、おとなはどんな手助けをすればよいのでしょう。著者は、おとなが声に出して本を読んでやることが大切だと考えます。文字の読めない子どもに、着実に物語を伝えることができ、さらに読み手の持つ文学を味わい楽しむ力も伝えられると。巻末に読み聞かせに向く絵本のリストを付す。
幼い子の文学

瀬田貞二著
中央公論新社
子どもにふさわしい文学とは、どんなものでしょうか。「行って帰る」という子どもに受け入れやすい形式を持つ昔話。素朴で具体的なことばと、音が良くて響きのあることばで伝えられた童唄。それらの伝承文学を生かした現代の児童文学。『指輪物語』の翻訳で知られる著者の児童文学論です。
ストーリーテリング 現代におけるおはなし

間崎ルリ子著
児童図書館研究会
人は体験が心からあふれ出たら、それをことばで人と分かち合わずにはおれない存在です。語り継がれてきた昔話をみてみると、人が共有したいのは、何よりも「よろこび」ではないのかと著者は言います。おはなし(ストーリーテリング)を聞くという行為を通して、人が文学体験(読書)をするということの根本的な意味を示します。
更新日:2025年03月31日