たつの市龍野伝統的建造物群保存地区について

更新日:2025年03月31日

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たつの市龍野伝統的建造物群保存地区の概要

兵庫県西南部の西播磨地方に位置するたつの市のほぼ中央、古代から西播磨の中心地であった龍野は、戦国時代に赤松氏が揖保川西岸にある鶏籠山の山頂に城を築いて居城としました。城の南の狭小な平野には、16世紀末までに町並みが成立していたと見られ、江戸時代になると山裾に城が移され、城下町が形成されました。龍野は、江戸時代を通じて西播磨の政治経済の中心地として栄え、17世紀後半に醤油醸造が始まって以降は、醸造業を中心に発展し、近代以降も醤油醸造を主産業として栄えてきました。

保存地区は、城下町のうち、旧町人地の主要部を含む範囲で、江戸時代から昭和戦前期までにかけて建てられた伝統的建造物が良好に残っています。敷地の間口いっぱいに建つ主屋は、切妻造、平入を基本とし、近世は、ツシ2階建の本瓦葺が多く見られましたが、近代になると桟瓦葺が主となり、明治中期以降には、本2階建のものが多くなりました。平面は、通り土間に沿って3室を1列に並べるものが主体で、間口の大きい家では、2列となります。1階は、古くは出格子を構えるものや、全面を引戸とするものが見られ、大正以降になると、腰壁を設けて格子窓とする形式が多くなり、同形式への改修も進みました。2階は、大壁を基本とし、虫籠窓や出格子窓のほか、金属格子をはめる窓、近代になるとガラス窓なども現れ、主屋以外には、門や敷地の周囲を囲む高塀などが見られます。保存地区には、醤油醸造に伴う長大な土蔵造の建物や洋風建築等の醸造関連施設も見られ、近世から近代までにかけて発展した醸造町の歴史的風致を良く伝えています。

中央に大きな橋がかかる川を挟んで建物が建ち並んでいる、龍野伝建地区を高台から撮影した写真

龍野伝建地区全景(南方向から見る)

山に挟まれた平野に建物が建ち並んでいる城下町が見てとれる龍野惣絵図の写真

「龍野惣絵図」(寛政10年)

保存地区の名称

たつの市龍野伝統的建造物群保存地区

保存地区の範囲

たつの市龍野町大手の全域及び門の外、上川原、旭町、水神町、下川原、立町、本町、川原町、上霞城の各一部

保存地区の面積

約15.9ヘクタール

選定基準

伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの

種別

  • 商家町
  • 醸造町

保存地区の区域図

龍野伝統的建造物群保存地区の位置図

龍野地区は平成2年度から「兵庫県景観の形成等に関する条例」に基づく歴史的景観形成地区に指定されており、その一部が重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

各地区の紹介

たつの市龍野伝統的建造物群保存地区は、その区域を8つの地区に分けることができます。
各地区の名称は立地等に由来しており、それぞれ固有の歴史や文化があります。各地区の特徴を知ることで、龍野地区のまち歩きがよりお楽しみいただけます。

門の外

真っすぐに伸びた細い道路の右側の建物入り口に色褪せた暖簾がかかり、窓に格子が設置され白壁の建物が軒を連ねている門の外地区の写真

上川原

奥のお寺へ向かう石畳の通り沿いに白壁の町並みの店舗が建ち並ぶ上川原地区の写真

下川原

奥まで真っすぐに伸びた細い道路沿いに、1階の窓に格子、2階の窓に簾が設置された風情ある古民家が建ち並んでいる下川原地区の写真

上霞城

左手前に白色のパラソルとベンチ、右側に昔使用していた煙突が当時のまま残り、中央入り口前に手すりとスロープが設置された黒い屋根と壁のクラテラスたつの建物外観の写真

大手

水路に沿って白壁で囲まれ、境内入り口に「播州龍野 如来寺」と書かれた看板が立つ如来寺の写真

立町

山の麓の細い道路沿いに、レンガ造りの建物や古民家が建ち並ぶ立町地区の写真

本町

水路と道路が交差する場所に残る、窓に格子がはめられた白壁の古民家の建物外観の写真

川原町

細い道路沿いに建つ建物の1階の窓に格子が設置された、白壁の古民家が建ち並ぶ川原町地区の写真

保存活用計画

関連資料

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

町おこし課 町並み対策係へのお問い合わせ
〒679-4192 兵庫県たつの市龍野町富永1005-1

電話番号:0791-64-3077
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