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最終更新日:2024年1月4日
兵庫県西南部の西播磨地方に位置するたつの市のほぼ中央、古代から西播磨の中心地であった龍野は、戦国時代に赤松氏が揖保川西岸にある鶏籠山の山頂に城を築いて居城としました。城の南の狭小な平野には、16世紀末までに町並みが成立していたと見られ、江戸時代になると山裾に城が移され、城下町が形成されました。龍野は、江戸時代を通じて西播磨の政治経済の中心地として栄え、17世紀後半に醤油醸造が始まって以降は、醸造業を中心に発展し、近代以降も醤油醸造を主産業として栄えてきました。
保存地区は、城下町のうち、旧町人地の主要部を含む範囲で、江戸時代から昭和戦前期までにかけて建てられた伝統的建造物が良好に残っています。敷地の間口いっぱいに建つ主屋は、切妻造、平入を基本とし、近世は、ツシ2階建の本瓦葺が多く見られましたが、近代になると桟瓦葺が主となり、明治中期以降には、本2階建のものが多くなりました。平面は、通り土間に沿って3室を1列に並べるものが主体で、間口の大きい家では、2列となります。1階は、古くは出格子を構えるものや、全面を引戸とするものが見られ、大正以降になると、腰壁を設けて格子窓とする形式が多くなり、同形式への改修も進みました。2階は、大壁を基本とし、虫籠窓や出格子窓のほか、金属格子をはめる窓、近代になるとガラス窓なども現れ、主屋以外には、門や敷地の周囲を囲む高塀などが見られます。保存地区には、醤油醸造に伴う長大な土蔵造の建物や洋風建築等の醸造関連施設も見られ、近世から近代までにかけて発展した醸造町の歴史的風致を良く伝えています。
龍野伝建地区全景(南方向から見る) |
「龍野惣絵図」(寛政10年) |
たつの市龍野伝統的建造物群保存地区
たつの市龍野町大手の全域、門の外、上川原、旭町、水神町、下川原、立町、本町、川原町、上霞城の各一部
約15.9ヘクタール
伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの
商家町・醸造町
たつの市龍野伝統的建造物群保存地区は、その区域を8つの地区に分けることができます。
各地区の名称は立地等に由来しており、それぞれ固有の歴史や文化があります。各地区の特徴を知ることで、龍野地区のまち歩きがよりお楽しみいただけます。
門の外 |
上川原 |
下川原 |
上霞城 |
大手 |
立町 |
本町 |
川原町 |
関連リンク |
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